放射能ってどんなもの??皆さんちゃんと知っていますか?
ここでは放射能に関する基礎知識をご紹介します。
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1.なぜ放射線は体に悪いの?
放射線は、主な標的である遺伝子(DNA)を始め、身体の大切な構成成分を下記の2つのルートで傷つけます。
1.直接傷つける作用
2.身体の中の水分子(細胞)に作用して活性酸素を発生させ、間接的に傷つける作用
1つの遺伝子の傷だけでは発ガンは起こりませんが、持続的な放射線を浴び続けて、いくつかの遺伝子が段階的に傷つくことで発ガンが起こります。そのため内部被ばく(次項2を参照)で物質を体内に取り込み、接続的に放射線を浴びる事は、細胞にとって危険なことなのです。
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補足! 水分子とは?→人間の体の60〜70%は水分でできています。それと同じ様に、体の中の細胞ひとつひとつも80%が水分です。 活性酸素とは?→老化もとで、体のサビのようなものです。自転車の車輪がサビび付いて動きが悪くなる様に、人間の体も活性酸素によって老化が進みます。 |
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2.内部被ばくと外部被ばくの違い
放射線の種類、また「外部被ばく」か「内部被ばく」かによって影響が変わります。
下の図で比較してみましょう。
外部被ばく:身体の外からの放射線による被ばく
人体にあたえる影響の強さは、γ(ガンマ)→β(ベータ)線→α(アルファ)線の順番です。
| 強 | γ線 | セシウム137や中性子線がもっとも問題になる。 |
| 中 | β線 |
ヨウ素131・セシウム137・ストロンチウム90等は、皮膚細胞まで通るが、それ以上は透過しない。高い線量では、 β線熱傷(やけど)や低い確率で皮膚がんになる。低線量ではβ線皮膚炎がある。 |
| 弱 | α線 | プルトニウム239は、皮膚の角質(垢)すら通らないので、問題にならない。 |
内部被ばく:呼吸や飲食によって体内に入った放射線による被ばく
人体にあたえる影響の強さは、α(アルファ)線→β(ベータ)線→γ(ガンマ)の順番です。
| 高 | α線 | プルトニウム239・ウラン。体内で10mmの範囲しか届かない。この範囲の細胞(特に遺伝子)を傷つける作用が強い。 |
| 中 | β線 | ヨウ素131・セシウム137・ストロンチウム90など。体内で10mmの範囲にしか届かない。 |
| 弱 | γ線 | シウム137なども、身体の外から浴びるよりも内から浴びる方が影響が強い。 |
「放射線の強さは距離の二乗に反比例する法則」
例)放射性物質が細胞に密着している状態を仮に0.1mmとすると、1m離れた放射性物質からのγ線と比較した場合は、1000万倍も放射線の影響が強い。だから、身体の中に放射性物質が入ると細胞(遺伝子)への影響が大きくなります。
※α線、β線は短い距離しか届かず、その範囲で持っている力を全部出し切ってしまうので、細胞に強い影響を与えるのです。
3.各放射性物質の身体への影響
各放射性物質がどんな病気をつくるのか、どれだけ影響を与えるのかは、下記の3つを考えます。
1.α線、β線、γ線のどの放射線を出すか、ということ。(前項2を参照)
2.取り込まれやすい臓器
| ヨウ素 | 甲状腺に蓄積 |
| セシウム | 心筋、脳、腎など全身に拡散 |
| ストロンチウム | カルシウムと間違えて骨に蓄積 |
| プルトニウム | 吸入で肺に沈着、飲食で口から摂ることで肝臓などに蓄積 |
3.半減期
半減期には以下「物理学的半減期」と「生物学的半減期」の2種類があります。
●物理学的半減期:ある放射性物質が放射線を出し、量が半分になる期間
放射性物質が原発から拡散した場合、ヨウ素はすぐに半減するが、セシウム137やストロンチウム90、プルトニウム239などは長く大地に残り放射線を出し続けます。
●生物学的半減期:体に取り込んだ放射性物質が体内から尿や便、汗などの生物学的な作用で半減する期間
身体に入ると全身に拡散し、90日で半分になるセシウム137よりも、骨に蓄積し、物理学的半減期が29年、生物学的半減期49.3年のストロンチウム90の方が影響が強い。
※ストロンチウム90は、原発から遠く離れた場所からも検出されていますが、今現在は少量だからという理由で食品などにどれだけストロンチウム90が含まれているかは測定されていません。
3.放射能、少量であれば安全?
今は「安全な放射線被ばくはない」というのが、多くの専門家が支持している考え方です。
よく言う「少量の放射線は体にいい」という〝放射線ホルミシス〟という考え方は、WHOもこの考え方を否定しています。特に、少量の放射線を持続的に浴びる方が、一度にたくさん浴びるよりも危険な可能性があることが最近の研究で明らかになっています。
高い放射線を一度に浴びると、遺伝子が壊れて細胞が自殺に導かれた場合は、おかしな遺伝子を持った細胞が死んでしまうのでがん化はしません。ところが低い線量の放射線を持続的に浴びると少しずつ遺伝子が傷ついた細胞が生き残る可能性があります。
**このような報告もあります**
バインスダー効果
ある細胞に放射線を浴びせると、その周りの細胞にも同じような遺伝子の傷ができること。
放射線を体にあて、染色体の影響を調べていたときに、全体の1%の細胞しか放射線をうけないようなごく微量の放射線を照射したのに、30%の細胞に染色体の変化がおこったのです。これは明らかに、「放射線を直接受けてない細胞にも影響が現れる」ことを示しています。
遺伝子不安定性
一度放射線を受けた細胞は、その後長期間にわたって遺伝子が不安定な状態になること(遺伝子不安定性)が明らかになっています。
※上記2つの事から、ごく一部の細胞にしか影響を与えないような低線量被ばくでも。発がんを起こす可能性があることが分かっています。
活性酸素間接作用を知っていますか?
人間の体内では、呼吸で酸素を取り込むたびに色んな種類の活性酸素(サビのようなもの。1項参照)を作り出します。中でも特に、〝ヒドロシキラジカル〟は協力に遺伝子を傷つける元と言われている活性酸素の中で一番危険なもので、通常の人間の体内でも作られる事があります。
1.呼吸からヒドロシキラジカルが作られるまでの過程
酸素から様々な活性酸素が生まれますが、段階を踏んで、最終的にはヒドロシキラジカルに変化します。しかし人間の体は、身体に備わったシステムで、ヒドロシキラジカルが作られる前の段階で、酵素で活性酸素を消して、歯止めをかけることができます。また、ヒドロシキラジカルは発生してしまうと他の活性酸素と違い、これを消す機能がありません。もしヒドロシキラジカルが発生してしまった場合は、残然ながらこれを消す機能は無いのです。
放射能もまた、この毒を作り出します。下の図を見てみましょう。
2.放射線からヒドロシキラジカルが作られるまでの過程
先ほども言いましたが、ヒドロシキラジカルは活性酸素の中で一番危険なものです。
それが直接作られてしまい、さらにその後、呼吸で取り込まれる酸素が加わって、様々な種類の活性酸素を作り出します。
呼吸しない訳にはいきませんが、酸素が存在することで放射線の影響は2.5〜3倍になることが分かっています。(酸素効果といいます。)
こうして放射線は私達の身体に不可欠な水や酵素から身体を壊す活性酸素を作り出すのです。
1.なぜ胎児や子供には影響が大きいの?
放射線の感受性が高いのは、以下のような細胞です。
- 細胞分裂が盛ん
- 将来行う細胞分裂回数が多い
- 形態と機能が未熟
→つまり、未熟で成長の早い子供の細胞の方が影響を受けやすいということです。
また、大人でも細胞分裂が早い、入れ替わりが早い細胞ほど影響を受けやすくなります。
- 感受性が非常に高い→リンパ組織、造血組織、粘膜、消化管(上皮)
- 感受性が比較的高い→唾液腺、毛のう、汗腺、皮脂腺、皮膚
免疫低下、白血病、貧血、不妊、精子卵子の染色体障害、下痢、脱毛などが起きやすいのです。
6.食べるもの、国の定めた暫定基準値以下なら大丈夫?
暫定基準値は、ICRP(国際放射性防御委員会)の勧告を元に、厚生労働省が制定した基準値です。
そもそも、ICRPの考え方自体が、内部被ばくを正しく評価できてないと言われています。
このことは、元ICRP科学事務局長のジャック・バレンタイン氏も認めており、「ICRPのモデルでは内部被ばくによる被ばくは数百倍も過小評価する可能性があるため、これを原発事故に使用することはできない。」と述べています。
発がんは細胞(特に遺伝子)レベルで考えなければならないのに、ICRPの基準では、臓器や組織というもとお大きな単位で考えていて、内部被ばくを過小評価してしまうのです。
暫定基準値は〝安全値〟ではありません。 非常時の暫定的な基準値です。
世界の基準、そして過去の日本の基準と比較しても現在の基準がとても甘いことが分かります。これは、特に子供に対して決して安全とはいえない基準です。
健康への影響を考えたら、基準値以下と言わず、極力被ばくを避けるべきです。
7.わたしたちが過去から学ぶべきこと
チェルノブイリの際に起こった事を知ることで、身体の影響を推測することができます
チェルノブイリ事故による身体の影響は、NY科学アカデミーの発行する「chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment’(チェルノブイリ:人々と環境へのカタストロフィの帰結)」に詳しく記載されています。英文ですが興味のある方は是非ご覧下さい。
http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf
**その他、多くの報告があります**
発がん、白血病や貧血、低出生体重児、胎児死亡率の増加などの問題は知られていますが、それだけではありません。
- 動脈硬化による高血圧、心筋梗塞
- 不整脈
- 脳(中枢神経)の障害
- ホルモン異常(下垂体、副腎、性ホルモンの異常)
- 精巣卵巣、子宮などへの影響
- 様々な炎症(皮膚炎、鼻出血、膀胱炎、アレルギーなど)
- 感染症の増加
など・・・
放射能の影響は多岐に渡ります。これらは、つまり放射能の影響で、その他の要因でも起こる一般的な疾患が増えるということです。
ストレスなどの影響、栄養の偏りなどの原因もありますが、それだけでは片付けられない症状も過去の例では報告があります。
監修:土井理沙医師








